「久助君の話」 新美南吉
1942年発行の童話集『おぢいさんのランプ』に収録されていた3篇の〈久助もの〉の一つ。ほかに「川」「嘘」。童話集所収以外の「耳」にも久助君や兵太郎君が登場する。
遊び相手を探し歩く久助君は、干し草の積み上げてあるそばで"ほら兵“の兵太郎君と出会う。
秋の日に暖められた干し草の心地よさを感じながら、2人は猫の仔のように「くるって」、取っ組み合いを始める。
夢中になる久助君だったが、兵太郎君の様子が気になり始めた。冗談なのか?真剣なのか?
夕方まで「くるいすぎた」あと、久助君は兵太郎君の意外な表情を見る。
友だちと触れ合って遊ぶなかで養われる、相手を思いやる感覚。知っているつもりの相手も、知らない顔を見せることがある。
おとなにも衝撃を与える「童話以上の童話」というべきかもしれない。
スーパー文庫『新美南吉童話大全』(講談社)の本文に拠った。
音楽:BGMer
http://bgmer.net
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