00:00
-00:00

「野ばら」小川未明 

22
8
 「野ばら」小川未明 1922(大正11)年発表 隣り合った大きな国と小さな国の国境。 大きな国からは老人の兵士が、小さな国からは青年の兵士が派遣されて、国境を守っていました。2人は仲良くなり、毎日、話をしたり将棋をさしたりして過ごしていました。 野ばらの咲く春がやがて冬になり、また春となったころ、2つの国は戦争を始めました。 老人は言いました。 「おまえさんと私は今日から敵どうしだ。 私は老いぼれていても少佐だから、私の首を持ってゆけば出世ができる。だから、殺してください。」 それを聞いて、青年はあきれた顔をして言いました。 「なにをいわれますか。どうして私とあなたとが敵どうしでしょう。…」 青年は北の、遠くの戦地へ去ってしまいました。 残された老人は青年を案じながら、石碑を守っていましたが、そこを通りかかった旅人から、戦争の成り行きを聞いたのです。…… ----------- 戦争が起こらなければ、たとえ国が違っても、親しい者どうしが引き裂かれることはなかったでしょう。一見、戦争の無惨さを表しているように思えます。 しかし何度も読むうち、老人の「敵どうしだから、私を殺して手柄にしなさい。」という言葉を、青年がどう受け止めたかが気になり始めました。青年はあきれた顔をして「どうして…」と老人の言葉に抗ったのです。 青年は老人の言葉に絶望したのではないか。だからこそ死を覚悟して戦地へ向かったのではないか。 老人から「国は敵どうしになっても、私とあなたは変わらない」と言われていたら……青年はそう言って欲しかったのではないか、と思うのです。 老人は青年の心に気づいていたのでしょうか。 #朗読 #小川未明 #野ばら #戦争
2024年12月29日
コメント(8)
さおり
大好きな話です、野ばら。
1月11日
いいね 1
多和田さち子
ありがとうございます。 私も好きです。 でも、読めば読むほど、意味合いが変わって感じられるようになってきて。 「好き」と言っていいのかどうか、迷います。 好き、なんだけど。😅
1月14日
いいね 1
さおり
小さなお話ですが、大事なことが含まれていて存在感が大きいというか、力強いというか。確かに読めば読むほどですね!自分も朗読したことがあり、他の方のが聴けて何だか嬉しかったです。
1月14日
いいね 1
多和田さち子
嬉しい感想ありがとうございます。 さおりさんの朗読(文学作品の)も聴きたいです。
1月14日
いいね 1
ジョー
さち子さん こんにちは このお話はとても考えさせられるお話ですね。 私も以前読ませて頂きました。 今年一年ありがとうございました。 また来年もよろしくお願いします。 良いお年をお迎えください。
2024年12月30日
いいね 2
多和田さち子
お聴き頂きありがとうございます。 なかなか配信できない1年でしたが、ゆっくり続けていこうと思っています。 来年もよろしくお願い致します。 よいお年を!
2024年12月30日
いいね 1
ユアン
戦争が人の気持ちを変えてしまうのでしょうか。人を想う気持ちを理解してい生きていきたい…… ありがとうございます♪︎ 昨日、ワンポエム聴いてて🙌 多和田さんの朗読をこの時期にお聴きできてよかったです😊 良いお年をお迎えくださいませ🙇”
2024年12月29日
いいね 1
多和田さち子
ありがとうございます。 私もユアンさんがたくさん聴いてくださっているのを見て、とても嬉しかったです。 1、2月に催しがいろいろあったり、家族のあれこれもあり、なかなか録音できませんでした。 ユアンさんもよいお年を❗️
2024年12月29日
いいね 1
コメントは
無料アプリ
から投稿できます
おすすめの放送
stand.fmの無料アプリでもっと便利に
Google Play Store
App Store
about stand.fm
放送が更新されたらプッシュでお知らせされるので最新の放送を聞き逃さない。
about stand.fm
バックグラウンド再生で他のアプリを使用しながら、放送やライブが聴ける。
about stand.fm
放送やライブ、コミュニティでコメントが送れて配信者とコミュニケーションができる。
about stand.fm
アプリだけでかんたんに音声を収録して投稿できて音声の編集もできる。
jasrac
JASRAC許諾番号
9024598002Y31016
9024598004Y31016
nextone
NexTone許諾番号
000006134
© 2025 stand.fm, Inc.