1.行動分析で知っておいてほしい3つの前提
① 行動分析学のコンセプト「環境の刺激が個人の行動にどのように影響を与えるかを明らかにする」ことであり、そのため行動の前後の時間軸を1つの単位として見る
②刺激とは
・個人の行動に影響を与える環境の条件のこと
・刺激とは,環境側の条件のことであり,それが行動にどのような影響を及ぼすかを見る
・物理的に存在している環境内の物や出来事でも,人間の行動に影響を与えなければ刺激とは言わない.人間の行動に影響を与えて,変化をもたらしてはじめて機能をもつ刺激となる
無自覚な電磁波(刺激ではない) → 頭痛が起きたように感じる(刺激)…電磁波が刺激となる。
③ 「反応形態(トポグラフィー)」
・運動反応のこと、つまり単なる動作のこと。同じ動作であっても場所や結果によって機能は異なる。“大声を出す”(トポグラフィー)…誰かに襲われたときと、図書室にいるときでは機能は変わる
2.行動随伴性:behavior contingency(こうどうずいはんせい)】
『先行刺激』→『行動』→『後続刺激』 という機能的な単位のこと
①環境からは内外にさまざまな刺激が与えられる(例:音、臭い、叩かれたときの痛み)。
これがきっかけとなり人は行動を起こす
②環境の刺激に対して人間が特定の行動を行うと,外部環境や自分自身の身体(内部環境)からの応答として刺激が返ってくる。例えば、嫌いな人をたたくとスッとする。しかし反撃が返ってくる。
③今度は、その応答刺激が直前に行った行動を増やす,減らす効果をもたらす
注意したいのは、嫌いな人を叩いたら一瞬スッとするような内的感覚を味わうが、反撃という外的応答刺激があった場合、他者への攻撃が増えるということもあれば減るということもある。ここでは好きか嫌いかが行動の頻度を左右するとは考えない、あくまでも増えたかどうかだけを見るのである。
3.刺激の機能は変わる
同じコーヒーであっても、おしゃれなカフェで味わうのと混んだ電車の中で飲むのとでは味わいは変わるだろうし、コーヒーに口をつける回数もカフェと電車の中では変わるだろう。
→ 環境条件の変化によって行動が変わり,その結果として環境の刺激としての機能が変わる【個人と環境との相互作用のフィードバック・システム】
【参考文献】
山本(2019)応用行動分析学における計測と制御,計測と制御 第58巻第6号
【ベストコメント賞】
だいぶ先だな…😢
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