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快食ボイス678・家を建てられない時代がやってきた

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人的供給制約社会という現実 今日は「人的供給制約社会」、いわゆる人手不足について考えてみたい。 この話を象徴的に示す出来事が、名古屋駅前の名鉄ビルの建て替え計画を白紙に戻したという話だ。 あの巨大なナナちゃん人形が立つ、名古屋を代表するランドマーク。 そのビルが2026年2月に閉業し、解体される予定だったにもかかわらず、その先が見えなくなった。 閉業は決まっている。 しかし、いつ壊せるのか、いつ建て直せるのかは分からない。 駅前に巨大な廃ビルが生まれることになる。 --- 建て替えが止まる理由 原因は単純で、人がいない。 当初担当する予定だったゼネコンが、人手不足を理由に工事を辞退したという。 加えて、工事費は当初想定の倍近くまで膨らんでいた。 人が足りなければ、職人はより条件の良い現場に流れる。 結果として、工事費は上がる。 これまでの建設業界は、元請けが下請けを叩いてコストを抑える構造だった。 監督業務には高度な知識と経験が必要であり、元請けが不当な利益を得ていたとは言わない。 しかし、現場で汗をかいてきたのは下請けだ。 その下請けが「その値段ではやらない」「他に仕事はいくらでもある」と言える状況になった。 構造は、すでに逆転している。 --- 同じ構造は全国に広がっている この話は名古屋だけのものではない。中野サンプラザの建て替え問題も、構造はまったく同じ。 広島市内を見渡しても、老朽化した建物が解体され、そのまま砂利敷きの駐車場になっている場所が増えている。 中心部を少し外れたエリアで、こうした光景を見かけることが多くなった。 本当は建て替えたかった。しかし「将来得られる収益 と建設コスト」が見合わない。 そこで、とりあえず駐車場にして固定資産税を払いながら時間を稼ぐ。 だがこれは一時的な課題ではなく、構造的な問題であり、今後も続くと考えられる。 --- 人手不足は教育の帰結でもある この問題の背景には、長年の教育と社会構造がある。 工業高校を減らし、普通科を増やした結果、現場仕事を担う人材が減った。 いわゆる3K、きつい・汚い・危険な仕事は敬遠され、ホワイトカラーが志向されてきた。 その皮肉な結末として、ホワイトカラーはこれからAIに置き換えられていく。 AIレベルの仕事であれば、文句も言わず、給料もいらず、24時間働くAIの方が合理的である。 一方で、現場仕事はAIでは代替できない。 ここに、深刻な人材のミスマッチが生じている。 --- 現場仕事の価値が跳ね上がる これからの時代、家や建物を建てる人、直せる人は仕事を選べるようになる。 水道工事ひとつとっても、誰でもできるわけではない。 依頼する側は「どうかお願いします」と頭を下げるしかなくなる。 一方で、新築住宅はますます建ちにくくなる。 材料費は高騰し、人件費も上がり続けている。 コストプッシュ型インフレの中で、新築は贅沢品に近づいていく。 --- 増えていくDIY住宅 政府は中古住宅取得に対する減税を拡大しようとしているが、体感としては焼け石に水である。 これから増えるのは、中古住宅を買い、自分で直して住むという選択だ。 YouTubeを見れば、すでに兆候ははっきりしている。 プロやセミプロがノウハウを公開し、多くの人が学び始めている。 空き家は大量にある。 しかし、業者にリフォームを頼めば途方もない金額になる。 ならば、自分でやるしかない。 これは趣味ではなく、住宅供給が追いつかない現実への適応である。 --- 職人がいなくなった先に待つもの 団塊ジュニア世代の職人が引退すれば、状況はさらに厳しくなる。 中古住宅を直す仕事は、新築以上に難しい。 現場で寸法を合わせ、その場で判断しながら作る高度な技能が必要だ。 そうした職人は、一般住宅には来てくれなくなるだろう。 来るものは止められない。 重要なのは、その中でどうサバイブするかだ。 リフォームを考えているなら、今のうちに動くべきだ。 これからは値段が上がる一方になる。 早く頼むか、自分でやる覚悟を決めるか。 その二択に、社会は急速に近づいている。
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