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快食ボイス670・旨味に溺れるな、淡い味を楽しむという選択肢

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今日は「チャーハン」について少し考えてみたいと思う。 --- チャーハンという料理の難しさ 街には、ラーメン店の半チャンセット、中華料理店、そして最近はチャーハン専門店も並ぶ。 しかし、今のチャーハンは非常に難しい料理になってしまったのではないか――そう感じている。 理由は単純で、冷凍チャーハンの存在である。 コンビニやスーパーで売られているあの冷凍チャーハンは、本当に美味しい。 ただし、どれも味が濃い。その濃さに多くの店のチャーハンが引きずられているのではないか、と考えている。 --- 本来のチャーハンは素朴だった 本来、チャーハンとは 卵とネギと油、そんな世界の料理である。 言ってしまえば卵かけご飯の加熱バージョンだ。 旨味の総量は非常に少ない。 だからこそ、多くの店では旨味調味料に頼らざるを得ない。 昔は、ここまで強く使っていなかったはずだ。 だが現在は、冷凍食品由来の「旨味の濃い世界」に引っ張られている。 この変化はチャーハンに限った話ではない。 アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノ、お茶漬けも同じ構造を持つ。 もとは素材の淡い味で成立していたが、「素」や加工食品の登場で濃い味が標準化した。 --- バカ舌/賢い舌の話ではない 旨味調味料が好きな人を否定したいわけではない。 濃い味が好きでも何の問題もない。 言いたいのはただ一つ―― 濃い味しか理解できないよりも、淡い味と両方楽しめた方が人生は豊かである。 味覚の優劣の話ではなく、楽しみの幅の話なのだ。 --- 人類は濃い味に惹かれるようにできている 塩・脂・旨味に脳が喜ぶのは仕組みとして当然だ。 人類の歴史の99%は飢餓であり、カロリーと旨味を求める体質は本能的だ。 しかし、濃い味一辺倒は健康を害する可能性がある。 食事とは本来、体を維持するための行為であり、脳を喜ばせるだけの娯楽ではないはずだ。 --- 淡い味の世界の楽しさ だからこそ、時々は旨味を足さない世界を味わってみると良い。 強い味 → 強い味 → 強い味、と進むだけではなく、淡い味に身を委ねる余白を持つこと。 たとえば大根おろしのように。 素材そのものの淡い香り、瑞々しさ、清涼感。 そこには、濃い味にはない豊かさがある。 --- 結論 チャーハンの話をしたかったのは、結局 淡い味と濃い味、どちらも理解すると人生はより幸せになる。 ということだ。 濃さだけを追う世界は、豊かさを削る。 淡さの魅力こそ、もう一度思い出すべきではないか。
20時間前
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