こんにちは、無人工経営アーキテクトのYOSHIです。 「経営を、アートにする。業務を、ゼロにする。」
不動産業界の皆さん、今日もお疲れ様でした。 もしかして今、店舗で「終礼」をやっていませんか? 全員で疲れた顔をして並んで、「今日の結果」を報告し合う時間。 あれ、本当に必要でしょうか?
ある賃貸仲介の店舗での出来事をお話しします。 新人の鈴木くんというスタッフがいました。 彼は前の晩、遅くまで図面作成をしていて、翌朝の朝礼中、少しぼーっとしていました。
店長は朝礼でこう言いました。 「あ、そうそう。管理物件のメゾン青葉、鍵の暗証番号が今日から変更だから。キーボックスの番号、0000じゃなくて1234ね」
鈴木くんは、その一瞬を聞き逃しました。 そして午後、鈴木くんは大切なお客様を連れて「メゾン青葉」へ向かいます。 外はあいにくの雨。 お客様を庇下に入れながら、彼はキーボックスを回します。「0000」。 開きません。何度もやりますが、開きません。
お客様の顔が曇ります。「まだですか?」 焦る鈴木くん。店に電話をします。 店長が出ます。「お前、朝礼で言っただろ! 何聞いてたんだ!」
電話口で怒鳴られながら、鈴木くんはお客様に平謝りします。 しかし、そのお客様が契約してくれることは二度とありませんでした。
さて、悪いのは誰でしょう? ぼーっとしていた鈴木くんでしょうか? 確かに彼にも非はあります。
でも、私は断言します。 悪いのは、「鍵番号の変更」という極めて重要な情報を、朝礼の雑談の中で、しかも「口頭」だけで済ませようとした、店舗の運営システムそのものです。
人間の記憶は揮発します。 特に忙しい不動産の現場では、「聞いたつもり」が一番怖い。 それを「気合で聞け」「メモを取れ」と精神論で解決しようとするから、同じミスが100年続くんです。
私なら、この店舗から朝礼を廃止します。 その代わり、「店舗運営Bot」を導入します。
鍵の情報が変わったら、Googleフォームに入力する。 すると翌朝8時に、全スタッフのLINE WORKSに通知が飛びます。 【重要:メゾン青葉の鍵変更 [1234]】 と、赤字で表示される。
鈴木くんは電車の中でそれを見て、「了解スタンプ」を押す。 現地に着く直前にも、LINEを見返せば、そこに「正解」が書いてある。
これなら、鈴木くんがどれだけ寝不足でも、店長がどれだけ早口でも、情報は絶対に劣化しません。 お客様を雨の中に立たせる悲劇は、仕組み一つで防げるんです。
「情報の共有」に、全員の時間を拘束する「同期通信」を使わないでください。 情報は「非同期」で、いつでも取り出せる場所に置く。
そうすれば、店舗に集まる時間は、もっと生産的で、もっと温かいことのために使えるようになります。 クレーム処理のための会議ではなく、お客様を喜ばせるための作戦会議をしましょう。
それでは、また次回お会いしましょう。 YOSHIでした。 #店舗DX