マイタケを「ちょい干し」すると、なぜおいしくなるのか
Xに軽く投稿した「マイタケはちょい干しするとおいしい」という話が、思った以上に反応があった。
どうやら、意外と知られていないようだ。
キノコは「何でも干せばいい」というものではないが、家庭で試した中で、圧倒的においしくなるのがマイタケだ。
スーパーで売られているマイタケは、水分が非常に多い。
指で触ると崩れるほどで、言ってみれば水をたっぷり含んだスポンジのような状態だ。
これは養殖環境によるもので、高温多湿という「最適化された環境」で一気に育てられているからである。
菌としては同じマイタケでも、味はどうしても薄くなる。
一方、天然のマイタケは違う。
寒さや乾燥、日照などの厳しい環境の中で、時間をかけて育つため、菌体が緻密で、旨味が濃い。
指で触っても、ボロボロと崩れない。
この差を、家庭でどう埋めるか。
その答えが「干す」という行為なのだ。
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干すという行為の意味
マイタケを干す目的は、単に保存性を高めることではない。
水分を抜き、味を凝縮させることにある。
キノコは細胞壁が脆いため、干したり冷凍したりすると旨味が出やすい、という話もよく知られている。
ただし冷凍には欠点がある。
食感が犠牲になり、柔らかくなりすぎるのだ。
汁物にするなら問題ないが、マイタケの魅力である、あの「ほろほろ、パリッ」とした独特の食感は失われてしまう。
だから、マイタケは冷凍ではなく干す。
それも完全乾燥ではなく、半干しがいい。
表面は乾いているが、中はまだしっとりしている。
この状態が、僕は一番おいしいと思っている。
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干す場所と匂いの話
マイタケは、干してみると意外と匂いが強い。
普段そのまま使っていると気づかないが、干すとよく分かる。
冬場はそこまで気にならないが、夏は特に強く感じる。
夏に室内干しすると、「あ、結構匂うな」と思うはずだ。
そのため、
- 夏:外干し
- 冬:室内でも可(台所など)
匂いが気になる人は、24時間換気している浴室に置くのも一つの方法である。
なお、マイタケに限らずキノコは水で洗わない。
これは重要なポイントで、買ってきたらそのまま干す。
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ちょい干しマイタケ、最強の食べ方
結論から言うと、揚げるのが一番おいしい。
干さずに揚げると、内部から水分がジュワッと出てきて、パリッとした食感が出ない。
結果として、グニュッと水っぽい仕上がりになる。
しかし、ちょい干ししたマイタケを揚げると、
- 味が濃い
- 水っぽさがない
- 食感が圧倒的に良い
実際、ある飲食店でキノコの天ぷらを出していたので「一晩干してから揚げると圧倒的に旨いよ」と伝えたところ、それが大人気商品になった。
現在はメニューから外れているが、いまだに「あのマイタケの天ぷら、またやってよ」と言われるらしい。
それくらい、効果がはっきりしている。
天ぷらが鉄板だが、唐揚げにする人もいるようだ。
僕はやったことがないが、理屈としては間違いない。
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他のキノコはどうか
いろいろ試した中での感想を整理すると、以下のようになる。
- マイタケ:圧倒的に一番
- エリンギ:かなり近い仕上がりになる
- ブナシメジ:サイズ的にやや厳しい
- エノキタケ:干しても悪くないが、別の食べ方がベスト
アワビタケ、モエギタケ、イグチの仲間など、すべてを試したわけではないが、スーパーで手に入る範囲では、マイタケが頭一つ抜けている。
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エノキダケは「自家製なめ茸」が最適解
エノキダケについては、干すよりもなめ茸にするのが一番だと思っている。
市販の瓶詰めなめ茸とは別物で、自家製は驚くほどおいしい。
作り方はシンプルだ。
1. エノキダケは水で洗わず、適当に刻む
2. テフロンのフライパンに入れる
3. 調味して煮る
ポイントは必ず酢を入れること。
酢を入れないと、キノコ臭さが残る。
調味は自由だが、
- 醤油+みりん
- 麺ツユ一本
どれでも成立する。
麺ツユなら、みりんも醤油も不要で簡単だ。
旨味を足したい場合は、タイコウの本枯節の粉を入れるのが僕の定番だが、それすら省いても十分おいしい。
作り置きできて、ご飯のお供にもなり、大根おろしに乗せても、そのまま食べてもいい。
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キノコは「意識して食べる食材」
キノコは、健康面から見ても意識的に摂るべき食材だと思っている。
味噌汁に毎回入れている人なら問題ないが、そうでないなら、作り置きできる形にしておくと続けやすい。
僕がよく食べるのは、マイタケとエノキダケ。
椎茸は、原木の良いものが手に入った時だけ焼いて食べる。
普通の椎茸は、正直あまり食べない。
エリンギは、三ッ星青果緑に置いてあるものが抜群においしいので、それを焼いて食べることが多い。
どうせ食べるなら、「最大限、おいしく食べたい」というのが僕の基本姿勢だ。
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おわりに
マイタケは揚げると最高だが、油の摂りすぎが気になるので、普段はソテーにして食べている。
ソテーにもコツがあるのだが、今日はもう十分長くなったので、この話はまた今度にしよう。
写真は適宜上げておく。
ぜひ、マイタケのちょい干し、試してみてほしい。