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『青森の人はみんな知っているが東京の人は誰も知らない 核燃料サイクルのこと』⑤

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青森の人はみんな知っているが東京の人は誰も知らない 核燃料サイクルのこと』の5回目は、東京から1900キロメートル離れた太平洋に浮かぶ絶海の孤島「南鳥島」が高レベル放射性廃棄物、「核のゴミ」の最終処分場の候補地として急浮上してきた話を取り上げます。  日本は、2011年の東日本大震災時に起きた東京電力福島第一原子力発電所の事故まで、原子力発電を積極的に進めました。その結果、日本にはウラン換算で2万トンの使用済み核燃料があり、ウランとプルトニウムの取り出しのためこれらが全部再処理されると、高レベル放射性廃棄物のガラス固化体が2万7000本でき上がりますが、これらを最終処分する場所はまだ決まっていません。そのため、使用済み核燃料は各原子力発電所や青森県六ヶ所村の再処理工場の敷地内のプールや、青森県むつ市の中間貯蔵施設で保管されていますが、原子力発電所はどこも置き場所が足りなってきており、溢れかえる寸前の状態です。  高レベル放射性廃棄物は極めて強い放射線を発し、その強さはヒトがガラス固化体にしたものから1メートルの距離に17秒間いると全員死亡するほどなので、地下300メートルの地層へ処分することとしていますが、その場所が決まらないのです。過去、いくつかの自治体の首長が最終処分場建設を誘致しようと試みましたが、反対運動などにより断念を繰り返してきました。透明なプロセスを踏みつつ迅速に最終処分地を決めようと公募制が導入されてからも、選定は一向に進みませんでした。  それが、ここにきて南鳥島が候補地として急浮上してきました。南鳥島は太平洋プレート上の孤島で地盤は安定していると評価されています。また、海上自衛隊の航空基地と国土交通省の気象施設はありますが、いわゆる地域住民はおらず、土地は全て国有地なので、小笠原村の同意は必要ですが、処分地建設のハードルは他地域に比べ低いと考えられます。  ただし、日本本土からはるか遠くにあり船だと行くのに4、5日かかります。一辺が2キロメートルの三角形の島はあまりに小さく、不測の事態が起きた時に対応に当たる者が上陸して対応できるか検証が必要です。  また、太平洋地域は核開発競争が激化した1950年代、多数の大気圏核実験が行われたという歴史があり、太平洋諸島諸国では今なお多くの住民が放射能被曝の後遺症に苦しんでいます。南鳥島は日本の領土とはいえ、太平洋の孤島に「死の灰」を最終処分することについては、太平洋諸島諸国に十分理解を求める必要があると考えます。
4月6日
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