電気は需要と供給を常に一致させないと不安定になるデリケートなエネルギーですが、水と違って貯めにくいことから、この一致作業は至難の業です。電力会社は、需要見込みに対し十分な能力を持つ発電所を用意し、瞬間、瞬間の需要を見ながら、各発電所を電力網に繋いだり遮断したりして供給量を調整して、常に電力が不安定にならないよう努めています。
この需給調整作業にとって、発電量が自然任せでムラのある風力発電や太陽光発電で得られる電気は、とても勝手が悪く、これが再生可能エネルギーの利用拡大を制限してきました。電気は貯めにくい、それが障壁だったのです。
ただ近年、電池の性能が著しくアップしたこと、およびAI革命の進展により、蓄電技術と電力の平準化技術が大きく進展しました。
これに昨今の原油価格の急騰によって電池の相対コストが急激に押し下げられるという要因が加わり、再生可能エネルギーは今年、発電の主役に躍り出る環境が一気に整いました。ムラがあって使い勝手悪かったものが、電池に貯められるようになったことで、必要な時に必要なだけ取り出せるようになり、電池が発電所そのもの、さらに言えば電力そのものになれるのです。再エネの蓄電と平準化を担う系統用蓄電のメーカーや蓄電事業者は大いに湧き立ってきました。