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覇権国不在下の危機進行 日銀は「物価上振れ」に立ち向かわなくてよいのか

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河野龍太郎 宮﨑知己の『日本経済の死角を衝く』第5回は、覇権国不在下の危機進行、日銀は「物価上振れ」に立ち向かわなくてよいのか、高まる「ビハインドザカーブ」のリスクをお届けします。日本銀行は4月27、28日の金融政策決定会合で、政策金利である無担保コール翌日物レートの誘導目標を0.75%で据え置くことを決定しました。3審議委員が1%への利上げを提示しましたが、植田和男総裁を含む残り6人が据え置きを提示しました。  日本政府は歴代、岸田政権も石破政権も高市政権も、ほぼ完全雇用下にあって、拡張財政政策を行なっているため、その帰結は、名目GDPが増えていても実質GDPはほとんど増えず、すなわち、物価ばかりが上がっている状態です。  加えて、設備投資の先行指標の機械受注、工作機械などの外需、銀行貸し出し、賃金、販売価格動向、株価など直近の経済指標はいずれも非常に強く、また、中東危機から原油高が継続する可能性があることから、利上げが急務とみる向きが多く、実際、3審議委員は利上げを提案しましたが、3会合連続の据え置きとなりました。  中東危機に起因する経済の混乱は長期化する予想も出ています。覇権国が不在の中の危機進行は非常に危険で、過去を紐解くと、1920年から30年の時期と似ていて危険です。歴史は繰り返すものであるとすれば、物価の上振れリスクへの対処が後手後手に回ると、経済格差が広がり、社会は落ち着きを失います。  リフレ政策、積極財政への拘泥は政権が変わらない限り続くと見られます。日本においては現在、物価の上振れへの対応が後手後手に回ることリスク、ビハインドザカーブのリスクを注意深く見る必要があるでしょう。
5月14日
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