井上久男 宮﨑知己の自動車王国日本の現在値の5回目は、2カ年で2兆5千億円もの損失を出す事態に陥ったホンダの経営問題に迫ります。
ホンダは2021年就任の三部敏宏社長が欧米の電気自動車(EV)へのシフトを狙った内燃機関車に対する規制強化の動きに合わせて「脱内燃機関宣言」を発出。2040年時点でグローバル販売する車は全て電気自動車か燃料電池車にするとして、経営資源の多くをこの2種に注ぎ込む戦略を打ち立てました。
そうしたところ、米国で政権交代がありEVシフトの動きは急減速。ホンダはこの潮目の変化に迅速に対応しなかったため2兆5千億円の損失と、1兆7千億円という膨大なキャッシュアウトを招くことになりました。
井上氏はホンダがすぐに方針転換できなかった背景に、ホンダは規制の行方ばかり見て、市場の動向を見ていなかったためと説明します。下の意見を聞かない三部社長の経営手法にも疑問を投げかけます。
ホンダは5月に反転攻勢のための経営再建策を発表する見込みです。内容は①ハイブリッド車の強化②中国・東南アジア市場の再強化③アライアンス強化などが考えられますが、どこまで具体的な対策を示せるかは現時点では未知数です。井上氏は、ホンダの最大の問題は経営者が将来展望を示せないことだと指摘します。