どちらが勝ったのか、分からない
アメリカとイランが戦争終結に向けて動いている。
ロシアとウクライナの戦争も、もう6年目に入ろうとしている。
これらを俯瞰して、ちょっと考えたことを話してみたい。
イランとアメリカ、どちらが勝ったのか。
これがぶっちゃけ分からない。
どちらも勝利宣言をしているからだ。
アメリカは核施設に打撃を与えて、当初の目的はある程度達成したのかもしれない。
一方でイランは、ホルムズ海峡封鎖という伝家の宝刀を抜いた。
やったらイランは強いんじゃないかと言われてきたけれど、実際にやると思った以上に効果があった。
もちろんイラン自身の原油も売れなくなって、経済は大打撃を受けた。
でもまた何かあれば封鎖できるという、強いカードを手にした。
核兵器より強いんじゃないかという人もいるくらいだ。
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戦争は、大国にしかできない
ここで僕が思うのは、これからの戦争は大国にしかできないんじゃないか、ということだ。
この場合の大国というのは、経済規模の話じゃない。
継戦能力、つまり戦争を続ける能力のことだ。
これを保つには三つがいる。
まず兵隊の数。次にエネルギー、ぶっちゃけ石油。
そして食料だ。
戦争は今でも人の手がいる。
ドローン一つ飛ばすにも人がいるし、ロシアとウクライナがやっているように、戦車を使った塹壕戦という第一次大戦みたいなやり方も未だに続いている。
兵器を動かすには石油がいる。
兵隊を動かすには食料がいる。
これが揃っていないと戦争はできない。
アメリカはシェールガスがあって食料も兵隊も揃っているからできた。
ロシアがあれだけ戦争をするのも、エネルギーと食料があって、人間がむちゃくちゃいるからだ。
あの国は常に戦争ができる体制なのだ。
翻って日本は、食料自給率が低い上に人間も減っている。
エネルギーを止められたら戦争なんてできない。
継戦能力がない。
日本がまた戦争を、と言う人もいるけれど、現代の戦争はこの物差しで見ないといけない。
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世界大戦に至らないのは、人間が学習したからだ
これらの戦争は、どれも世界大戦には至っていない。
ここは人間の学習だと思う。
そうならないように、みんなが頑張って止めている。
止めているのは経済だ。
アメリカもこれ以上イランと戦えば、国内で厭戦気分が高まる。
中間選挙前にトランプが手を打ったのもそれだ。
結局、経済が戦争の拡大を止めている。
もう一つ面白いのが鹵獲だ。
ウクライナはロシアの戦車や兵器を鹵獲して、分析してネット上に公開している。
これまで秘密だったロシアの最新兵器が、西側に完全に共有されてしまった。
仕組みが分かれば弱みをつかれる。
戦争をすれば全ての兵器は必ず鹵獲され、分析される。
一回やったらどれだけデメリットがあるかが分かってくると、戦争は減る。
要は、戦争のメリットが薄いということだ。
やるぞやるぞと言うだけにとどめて、実際に攻め込めば国が傾く。
この構図はこれから50年か100年は続くと思う。
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イスラエルの将来には、悲観的だ
そうなると気になるのがイスラエルだ。
周辺のアラブ諸国に喧嘩を売りまくっている。
あの国は小さくて、食料もエネルギーもない。
アメリカの支援があるから喧嘩を売れているだけで、支援が消えれば継戦能力はない。
アラブ側はエネルギーを持ち、何より人間の数が多い。
僕はイスラエルが嫌いなわけじゃない。
ユダヤの民が歴史的に大変な思いをしてきたことには同情的だ。
でも、やられてきたからどれだけやり返してもいい、という話にはならない。
僕たち広島の人間は、核を落とされたからアメリカにどこまで要求してもいい、とはやっていない。
言うべきことは言う。
彼らの罪深さも忘れもしない。
しかし、責めて責めてなじり続ければいいという話じゃない。
未来永劫それを言い続けるのか、とはならない。
そこがイスラエルの問題だと思う。
何百年後かに国がなくなる可能性すら、ちょっと懸念している。
平和万歳と唱えれば平和が来る、わけではない。
世の中はちゃんと、現状に合わせた合理的な判断で戦争を抑止している。
それが今の世界における、本当の戦争抑止じゃないかと僕は考えている。