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快食ボイス819・話題の店に行こうと思った時点で、市場の養分になりつつある

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ダイヤモンドオンラインで見つけた、奇妙な仕事 ダイヤモンドオンラインに、タイミーを使ってスキマバイトをするライターの体験記が連載されている。 その中に「食事記事作成支援業務」という仕事があって、これがなかなか興味深かった。 全部無料で読めるので、よかったら読んでみてほしい。 https://diamond.jp/articles/-/392740 仕事の中身はこうだ。 指定された店のいくつかから自分で選んで、1件2千円以内で食事をする。 料理の写真を1品あたり20〜30枚撮り、最低300文字程度のレビューをiPhoneのメモに書く。 とにかくいいことだけを書く。 2時間で2件回って、時給と領収書分が払われる。 自分のアカウントで投稿するわけではない。 書いた内容は依頼主へ渡される。 1件2千円というのは、けっこう厳しい。 突き出しが出る店なら、生ビール1杯頼んだらもう一品しか頼めない。 しかもこの人が行ったのは全部夜の店だったらしい。 昼ならまだしも、夜でこの予算はなかなかしんどいだろうなと思いながら読んでいた。 --- あの不自然な星5は、こうして作られていた で、このレビューと写真がどう使われるか。 業者が作ったPR用のアカウント、実際の人間が紐づいていない架空のアカウントから、大量に投下されるのだそうだ。 これでやっと腑に落ちた。 広島でも、Googleマップを見ていると猛烈に投稿されている店がいくつもある。 具体的に挙げられるくらいだ。 昔はフェイクアカウントに「星5」とだけ付けたような雑なものが多かったが、最近はだんだん手が込んできて、写真付きで何件も投稿してある。 専用の人を雇って元ネタを集め、それらしい記事を量産していたわけだ。 実際に行っていないと書けないディテールを、あの300文字から抽出していたのだろう。 誰かが星2や星3を付けても、星5を5、5、5、5とぶわーっと積み上げれば平均点は上がる。 結局は物量で点数を作る。 食べログはこれができなくなったはずだが、Googleマップはまだできてしまう。 --- 点数が怪しい店の、見分け方 投稿件数をよく見てほしい。 歴史のある店はそこそこ件数が付く。 でも、できてまだ間もないのに異様にコメントが多い店は、何か理由がある。 レビューの獲得件数には目安がある。 小規模な店なら年間100件付けば珍しいくらい。 そこそこ客数の多い中規模で200件、繁華街や観光地の大規模店・チェーン店で年間250件以上。 これを超えてくる場合は、何かキャンペーンをやっていることが多い。 投稿してくれたら飲み物サービス、というやつだ。 最近はこれがエスカレートして、投稿画面を店員に見せたら特典がもらえる、という形まで出てきた。 こうなると、特典が欲しいから星1や星2は付けられない。 「実際は違うんだけどな」と思いながら、自分が今得をするほうを選んで星5を付ける。 ここで効いてくるのが、自分の評価がこの社会にとってプラスかマイナスか、なんてことを考えない人たちの存在だ。 今の自分が得をするかどうかしか見ていないから、本当は違うと思いつつ、それでも星5を付ける。 それを見て店に行った人がどんな思いをするかは、視野に入っていない。 そういう人たちを上手に釣り上げて、点数を作る。 だんだん巧妙になっている。 --- 話題になってるから行ってみるという巧妙な罠 怪しいなと思ったら、行かないのが一番だ。 巻き込まれなくて済む。 つまり「今話題の店だから行ってみよう」と思った時点で、もう巻き込まれている。 話題の店というのは、話題(アテンション)を作ることが基本だからだ。 うまく話題を作っているなと見えた瞬間に、距離を取る。 ワールドカップみたいな熱狂で、巻き込まれること自体が楽しいものもあるけれど、飲食店でそれをやると痛い目を見やすい。 快食ボイス810・「ふざけるな」と書かれたインスタ画像に引っ張られる、アテンションエコノミーの教科書みたいな開店劇でも詳しく語っている。 店の側も、話題で来た客はどうせすぐ離れると分かっているから、粗末に扱っても構わないと考える。 話題(アテンション)が作り出された店に、話題だから行き、粗末に扱われ、また次の話題の店を訪れる。 これはあまり賢い消費者ではない。 話題になっていなくても良いものを出している店を探すほうが、ずっと楽しい。 念のため書いておくと、僕がテレビで紹介して話題になる店は別だ。 店から何ももらっていないし、いい店がいい状態で続いてほしいから紹介しているだけだ。 --- イノセントでは騙される イノセントな消費者が良いものが得られる、そんな世の中ではなくなった。 飲食店なら、騙されても1食分、せいぜい数千円で済む。 けれどこの構造は、もっと大きな詐欺や投資話にもそのまま当てはまる。 イノセントな消費者は騙されない、という平和な時代はもう終わった。 飲食店だろうが投資話だろうが、儲かるビジネスだろうが、知らなければ騙される。 騙されないためには、学ぶしかない。 とにかく勉強して、賢い消費者になっておく。 イノセントであることが美徳だった時代は過ぎ、学ばない人は刈り取られて養分にされる。 そういう時代に、もう入っているのだと思う。
14時間前
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