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快食ボイス814・飲食店の生シラス丼が、おいしくない理由がやっとわかった。

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ワールドカップが始まった ついにワールドカップが始まった。 僕も今朝5時に起きて、日本対オランダの試合を見た。 すごかった。 三笘選手や遠藤選手、南野選手といったエース級が離脱している状況でどうなるのかと思っていたが、常にビハインドの展開を二度も追いついて、勝ち点1をもぎ取った。 オランダは過去に何度も準優勝している強豪だ。 そこといきなり当たって、この内容。 もしかしたら僕が生きている間に、日本がワールドカップで優勝するのを見られるかもしれない。 そんな気持ちにさせてくれる試合だった。 世界トップレベルのスポーツの祭典というのは、いつ見ても圧倒的だ。 年齢的な制約を抱えながら、超人たちが人生をかけて培った技術とメンタルを、一瞬にかける。 あの美しさは、生命のほとばしりだと思う。 ちなみに今回から32チームが48チームに増えて、試合数が100を超えている。 いちいち全部は見ていられないので、NHK ONEの「2分ハイライト」を使っている。 1試合をシュートシーンだけ2分で見せてくれるやつだ。 本当はゴールの前後にこそサッカーの面白さがあるのだが、時間的にこれくらいがちょうどいい。 さて、前置きが長くなった。 今日話したいのは、生シラスだ。 --- 生シラスの季節がやってきた 広島も、生シラスの季節になった。 今日、ダイレックス福島店の鮮魚売り場に行った。 フエダイがよかったので買おうかと思ったが、この時期だからやっぱりカタクチイワシ(コイワシ)かな?処理は面倒だけどやるか、と一度は決めた。 それで店長の武田さんに「今日はコイワシにするわ」と声をかけて、売り場を離れようとしていた。 そうしたら後ろから武田さんが声をかけてくれた。「生シラス来たよ」と。 ちょうどそのタイミングで、今朝上がったばかりの生シラスが届いたのだ。 これは非常に珍しい。 本当にその日の朝に上がった生シラスというのは少ない。 生シラスを出している店はあるけれど、本当の朝獲れは...ということだ。 これ以上は言わない。 とにかく、これはいいね、ということで買って帰った。 --- 0度の氷水で洗う 帰ってすぐ、氷水を作った。 浄水器の水ではなく、水道水で作る。 塩素で殺菌するためだ。 キンキンに冷えたところに塩を入れて溶かす。 本当に0度くらいの氷水の中に生シラスを入れて、全体を洗う。 海から上げただけなので、汚れているし、なんなら小さな木の枝みたいなものも入っていたりする。 それを、目の細かいアク取りで、金魚すくいの要領ですくっていく。 ここで大事なのは、本当に0度くらいの水でやること。 そうしないと身が崩れてしまう。 洗ったものを、分厚く敷いたキッチンペーパーの上に出して、上からも紙を伏せて、水を切りながらチルド室へ。 凍るか凍らないかぎりぎりの温度で保存した。 そうやって仕込んだやつを、夜に食べた。 --- これまで食べた中で、一番うまかった これまで何度か、飲食店で生シラス丼を食べたことがある。 それも、生シラスを食べさせる専門店のようなところで。 でも、ぶっちゃ……いや、そんなにおいしいと思ったことがなかった。 身がボソボソしているし、苦味が強いし、ちょっと生臭い。 そういう印象だった。 ところが、自分で今朝取れたばかりのものを処理して、塩水の氷水で洗って、水を切って食べると、まるで違う。 すっきりして、おいしい。 生シラスってこんなにおいしかったのか、というのが今回の感想だ。 臭みもなく、苦味も少なく、甘みがあって、味がすっきりしている。 食材のピュアな味がする。 雑味がない。 これは僕の今回の経験なので、全部がそうだとは言わない。 でも、専門店で食べたものより、自分で処理したもののほうが圧倒的においしかった。 食べていて思ったのは、釜揚げシラスに近いということだ。 じゃこのように干したものではなく、釜揚げのほう。 ああ、釜揚げシラスってこの延長線上にあるんだな、というのがよくわかる味わいだった。 --- 中途半端な生シラスより、いい釜揚げちりめん たぶん、僕がやった処理は、普通の飲食店だと手がかかりすぎてできない。 もちろん高級店ならやるだろう。 きれいに洗ってピュアな味を出そうとするはずだ。 でも、安価な店では人件費を考えると無理だと思う。 だから、本当においしい生シラスを食べたいなら、選択肢は二つだ。 かなりの高級店に行くか、この時期に魚屋でその日に上がったものにたまたま出会って、自分で丁寧に処理するか。 今回の僕は、後者にたまたま出会えた、というだけのことだ。 ただ、そこまでの努力をしなくても、という話もある。 広島なら石野水産のような、ちゃんとしたちりめん屋の釜揚げちりめんがある。 あれをご飯にまぶして食ったら、そっちのほうがスッキリしておいしい、ということが普通にあるのだ。 釜揚げシラスは、技術も鮮度もすごく重要で、素人にはできない。 プロが海から揚げてすぐ、素晴らしい状態で釜揚げにする。 その瞬間に、おいしさがフリーズされる。 とどまる。 一方で生シラスは、どんどん劣化していくし、手入れも面倒だ。 そこに難しさがある。 だから僕の個人的な意見としては、状態のよくない生シラスを食べるよりは、状態のいい釜揚げシラスを食べるほうが、断然おいしい。 今回、僕は幸いなことに、生まれて初めて本当に状態のいい生シラスを手に入れて、その本当のおいしさに出会えた。 裏を返せば、生シラスというのは、それだけ難しい食材だということだ。 中途半端な店で食べるくらいなら、いい釜揚げシラスのほうが絶対においしい。 僕はそう思う。
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