【100万人×20年の追跡調査】
テストスコアを伸ばす教師との出会いは、生涯年収を変えるのか?
先生との出会いが、大人になってからの進学や収入にまで影響するのか。そんな問いに、前例のないスケールで挑んだ研究があります。
今回の放送では、2014年にアメリカン・エコノミック・レビューに掲載された、当時ハーバード大学のチェティ教授らによる論文をご紹介しました。
・小3〜中2にあたる約100万人の学校記録を、国の税務記録と接続
・1989年から約20年分のデータで「教育がその後の人生に与える影響」を追跡
・先生の力を付加価値(Value-Added / VA)という指標で測定
主な結果は
・テストの点数を伸ばす先生に出会うと、20歳時点の大学進学率が約0.8%上昇(地域の平均進学率は約37%)
・28歳時点の年収は約1.3%(年間約350ドル)高く、生涯では一人あたり約600万円相当に
・下位5%の先生を平均的な先生に置き換えるだけで、1クラスの生涯所得合計が25万ドル増加
一人ひとりでは小さく見える差も、クラス単位・地域単位で見れば経済活動や納税額を動かす規模になる。「教育は投資対象として捉えにくい」という文脈に対して、データで価値を示した研究です。
一方で、効果が3〜4年後には約25%まで薄れるフェードアウト現象や、国語(言語)系の先生の効果は算数より長持ちするという興味深い発見も。言葉を育むことは、より汎用的な力につながるのかもしれません。
日本にはまだこの規模・期間の研究が存在しません。だからこそ、研究機関への投資も含めて「教育のインパクトをどう捉えるか」を考えていく必要がある。
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