今年は丙午で、火のエネルギーが強く太陽が照りつける年ですが、同時に「水運(すいうん)」という水の運気も非常に強い年であると、年初の勉強会で学びました。実際にこの夏、お盆の時期に水害が発生してしまいました。災害に遭われた方々に心よりお悔やみ申し上げます。
こうした出来事を常に自分事として捉え、急な事態に直面したとき、人は「何ができるか」と自問するものですが、私自身もまずは頭の中がパニックになってしまいます。
### 中医学で読み解く「驚き」と「腎」の関係
中医学では、パニック状態を「心(しん)」が落ち着いていない状態と考えます。また、過度な「驚き」は「腎(じん)」に影響を及ぼします。腎は「驚き」や「恐れ」という感情に弱いため、加齢により腎のエネルギーが不足する「腎虚(じんきょ)」の状態にある高齢者の方は、より恐怖心を感じやすくなる傾向があります。
私自身も恐怖でビクッとすることがありますが、筋肉が緊張すると思考まで硬直してしまい、良い知恵が浮かばなくなります。まずは深呼吸が大切ですが、それでも落ち着かないときにどうすべきかを常に考えています。
### 心を落ち着かせる秘薬「麝香(じゃこう)」
「緊張して言葉がうまく出ない」「頭が真っ白になる」といったパニック状態のとき、私は「麝香(じゃこう/ムスク)」を使います。麝香は精神を安定させる力が非常に強く、人前で話す際や、動揺が激しいときにお勧めしている漢方の生薬です。
今回の災害のような事態は、薬を飲めば解決するというものではありません。しかし、心がどうしても落ち着かないときに麝香のような「秘薬」を用いることで、平穏を取り戻せる場合があります。困難に打ち勝つためには、少しでも心を平穏に保つことが重要です。
### 復興に向けて
漢方には、こうした非常時に役立つ変わった生薬が存在します。今回のような出来事に直面し、改めてその存在が思い浮かびました。これから復興に向けて大変な時期が続くと思いますが、私にできる支援を考えていきたいと思っています。