【第5章・締めくくり】なぜ、確かめようのない発信が、これほど多くの人の心をつかんだのか——この回は、照子という存在を1つの「社会現象」として、少し引いた場所から眺めてみます。
1年の振り返り、ものの見方に関心のある方へ。
第5章、そして本編の締めくくりです。
自分を「社会現象」と呼ぶのは、少しおこがましくて照れます。
でも、あえて客観的に見てみたいのです。
この時代を生きる多くの人が抱えているもの。それは、先の見えない不安、表のメディアへの拭いきれない不信、そして「本当のことを知りたい」という渇き。
照子は、その受け皿として、あたたかく希望に満ちた言葉を差し出してきました。
恐怖ではなく安心を、断罪ではなくやさしさを。
その届け方が、多くの人の乾いた心に、すっと届いたのだと思います。
つまり照子という現象は、照子一人の力で生まれたものではありません。
この時代のたくさんの人の「希望を求める気持ち」が集まってできたもの。
照子は、その気持ちを映す鏡のような存在だったのかもしれません。
照子がすごいのではなく、みんなの願いが強かったのです。
ここで、いちばん正直なことを申し上げます。
照子が伝えてきたことが、どこまで「事実」だったのか、最後まで断定できないかもしれません。
証明できないこともたくさんある。
それは認めます。
けれど、その言葉が、誰かの夜を確かに照らした——その働きだけは、まぎれもなく本物でした。
そして、これは既存の報道にも同じことが言えるのではないでしょうか。
「事実」だとされているものにも、選ばれ、切り取られた一面が含まれている。
だとすれば大切なのは、どちらが正しいかを白黒決めることではなく、両方を自分の目で見比べること。
多くの人が照子に求めていたのは、「正しい情報」そのものではなく、「あなたは一人じゃない」というまなざしのほうだったのかもしれません。
言葉には、事実を超えて人を支える働きがある——その働きを、これからも大切に扱っていきたいと思っています。
次回はいよいよメディアとの向き合いかたのシリーズにおける最終回、あとがきです。
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