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快食ボイス665・サバイブオイスター宣言:牡蠣を食べるという支援のかたち

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いま広島で起きている 牡蠣の大量死について考えてみたい。 広島に暮らす者にとって、牡蠣は単なる食材ではない。 冬になると食卓に現れ、瀬戸内海の季節感を知らせてくれる、いわば生活文化そのものだ。 だが今年、その牡蠣が斃死している。 原因は、まだわからない。 --- 「10月の突然死」という違和感 養殖業者の声を聞くと、10月の途中までは、むしろ順調だったという。 では、なぜ10月に入ってから突然死が始まったのか。 - 水温の急変? - 高塩分濃度の影響? - 低酸素状態? - 餌不足? - アカシオ? - 病原体? どれも仮説としては挙げられている。 しかしどれも「10月の突然死」を説明しきれない。 7〜9月は壮絶な酷暑だったが、持ちこたえていた牡蠣がなぜ10月に崩れたのか。 例えば瀬戸内海が急に低酸素になる――そんな劇的な変化が、どうすれば起きるのか。 説明のピースが足りていない。 この 釈然としなさ は、多くの養殖業者が共有しているはずだ。 --- 歴史は同じ問いを繰り返す 自然と産業の大崩壊は、過去にも何度も起きた。 - 北海道のホタテ大量死 - フランスの葡萄を壊滅させた フィロキセラ(害虫) - ヨーロッパヒラガキ を滅ぼしたウイルス ヨーロッパの牡蠣産業は、病気に強い日本の マガキ を導入して再生した。 いま欧州で食べられている牡蠣の多くは、日本から渡った血統である。 歴史が示すのは、ひとつだ。 自然の大災害は、いつも「説明できないまま始まる」。 もし今回の出来事が病原体によるものなら、事態は深刻だ。 そして特定には時間がかかる。 --- 現場の養殖業者には時間がない 「そういうこともあるよね」と言って済ませられる話ではない。 今年の売上は壊滅的だし、来年以降はさらに厳しい。 牡蠣は5~6月に産卵し、ホタテ殻に付着させて次の世代を育てていく。 今年親牡蠣が死んでしまったぶん、来年・再来年の生産にも影響が確実に出る。 つまり、この問題は「今年がダメだった」ではなく 少なくとも2~3年にわたるダメージである。 --- だからこそ「サバイブオイスター」を食べて応援したい 僕らは専門的な研究もできないし、運転資金を融通することもできない。 でも、ひとつだけできることがある。 生き残った牡蠣を食べること。 それが、養殖業者の次の一手を支える力になる。 サバイブオイスター。 過酷な海を生き延びたツワモノの牡蠣たちだ。 今年の牡蠣は数が少ない。 だがその分、一粒には物語がある。 僕らは、その物語を味わうことで、海と人の営みを応援できる。 牡蠣はただの食材ではない。 誰かの人生の結晶なのだ。 --- 最後に いずれ原因究明は進むだろうし、対策としての技術開発も進むだろう。 でも、その前に、今ここで支えなければならない。 だから僕は言いたい。 今年の牡蠣を食べよう。 生き残った牡蠣を讃えよう。 サバイブオイスターはきっと今年じゃなければ食べることができない。
7日前
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