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快食ボイス694・箱根は、ついに世界への入口になったのか

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はじめに 正月のさんがにちが終わった。 1日はニューイヤー駅伝、2日と3日は箱根駅伝。 これを見ないと正月が始まらない、そう感じている人も多いのではないか。 僕もその一人だ。 今年も例外なく、画面の前で多くの時間を過ごした。 そして見終わったあと、強く残った感覚がある。 それは「長距離の世界が、明らかに次の段階へ進んだ」という実感である。 --- 箱根駅伝は、異常な速度領域に入った ここ数年の箱根駅伝は、明らかに高速化している。 今年の優勝タイムは10時間37分台。 過去の優勝タイムから約3分短縮された。 200km以上を走っての3分と思うかもしれないが、3分あれば彼らは1km以上走ってしまう。 これは「少し速くなった」などという話ではない。 さらに象徴的だったのが、区間賞ではなく「区間新」が5区間もあったことだ。 つまり、その区間を歴代走ったすべての選手の中で最速、という意味である。 これは異常であり、同時に時代の変化を示している。 --- 「不滅」と呼ばれた記録が、次々と塗り替えられる かつて「不滅」とまで言われた記録が、今や更新され続けている。 2区、3区、4区の記録を持つイエゴン・ヴィンセントさんですら、すでにエース区間の2区では何度も塗り替えられた。 大迫傑さんの記録もそうだ。 長距離ファンからすれば、日本記録保持者かつ伝説のランナーである。 その箱根時代の記録が更新されるという現実は、率直に言って衝撃的だ。 記録が破られるということは、敬意が失われたという意味ではない。 むしろ逆である。 その時代の頂点が、次の世代への踏み台になったということなのだ。 --- 黒田朝日さんという「異次元」 今年、最も記憶に残った選手を一人挙げるなら、黒田朝日さんだろう。 4年生で初めて5区を走り、まるでエンジンでも積んでいるかのような走りだった。 山の神、柏原竜二さんが「化け物すぎる」と表現したのも頷ける。 もちろん彼は特別だが、特別な選手が一人だけ、という大会ではなかった。 全体が底上げされている。 それが今年の箱根だった。 --- ケニア人ランナーと人類史の話 ニューイヤー駅伝でも、外国人選手が走る区間がある。 実際、そのほぼ全員がケニア人であり、さらに言えばカレンジン族やキクユ族に集中している。 これは偶然ではない。 人類の起源がアフリカにあり、遺伝的多様性の約85%がアフリカ大陸内に存在している、という事実と関係している。 つまり、人類で最も足の速い人も、最も遅い人も、アフリカ大陸にいる。 その中で、長距離に最適化された遺伝的特性を持つ集団が、結果としてケニアに集中している。 環境やトレーニングも重要だが、最大の要因は遺伝子である。 これは感情論ではなく、科学的な話だ。 --- それでも、日本人は追いつき始めている 重要なのは、そこだ。 ニューイヤー駅伝では、ケニア人選手に負けない日本人ランナーが明確に増えてきた。 さらに注目すべきは、 トヨタやJRといった伝統的強豪だけでなく、 GMOインターネットグループ、サンベルクス、ロジスティードといった比較的新しい企業チームが台頭している点である。 彼らは若い選手を積極的に起用し、結果を出している。 つまり―― 箱根駅伝のレベルが、ついに社会人トップレベルに追いつき、追い越し始めたのだ。 --- 「速い選手」ではなく「強い選手」へ マラソンはトラック競技とは違う。 ロードには、天候、起伏、風といった不確定要素がある。 だから必要なのは、速さよりも強さだ。 山を走っても速い。 条件が悪くても崩れない。 そういう選手が、今の箱根から育ち始めている。 元ランナーとして、これは本当に嬉しい変化だ。 --- 箱根から、世界へ――夢を見てもいい時代 金栗四三が掲げた「箱根から世界へ」。 それは長らく理念であり、理想論でもあった。 だが今は違う。 もしかすると、箱根を経由して世界で戦う日本人長距離ランナーが、僕が生きている間に現れるかもしれない。 応援するだけの立場ではあるが、夢を見るには十分な現実が、今ここにある。 --- おわりに 2026年の正月。 今年の箱根駅伝は、本当に素晴らしかった。 多くの物語があり、何度も涙が出た。 僕らの役割は、しっかり応援することだ。 長距離という競技は、静かで、過酷で、そしてとても美しい。 その静けさと精神性は、日本人のマインドに馴染みやすいと思う。 来年も、また楽しみにしたい。 そしてできるなら、皆さんも一緒に応援してほしい。
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